乃が美を設立した坂上雄司さんの本、「奇跡のパン」を読むきっかけ
私が「奇跡のパン」を読むに至ったきっかけは、この本を書かれた筆者が乃が美の食パンを生み出した方だと知ったことです。
乃が美は高級「生」食パンという商品が日本中で大人気になったパン屋さんです。
どんなに人気かと言うと、乃が美への客足が途絶えず、行列すら生んでしまうほど。
私も以前乃が美に朝イチで食パンを買い、その美味しさに感動した1人です。
いち消費者として、またはパン作りをしている人としてどのように乃が美の大人気商品、高級「生」食パンが開発されたのか気になりました。
そこで乃が美の食パンを作るに至った動機から、乃が美が大人気パン屋さんになるまでを書いた「奇跡のパン」という本を読もうと思ったのです。
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乃が美の食パンが日本中で大人気になったわけ
それでは前起きはこのくらいにして、「奇跡のパン」で学んだこと、感じたことを書いていきます。
乃が美の食パンが日本中で大人気になったわけは、いくつかあります。
妥協しない
「うーん、なんか、ちゃうねんなあ」
あの2年間に何回いっただろうか。
引用元:奇跡のパン.坂上雄司.株式会社KADOSAWA
坂上雄司さんの妥協しない精神が、乃が美の食パンを大勢に愛されるほど美味しくしたといっても良いでしょう。
坂上雄司さんはパンに関しては素人で、どのように作られているのかすら分かりませんでした。
しかし味覚には自信があったのです。
自身がこれ!と頭の中で思い描いていた味と少しでもずれている、なんか違うな、と妥協せずに2年間試行錯誤を繰り返しました。断固として味や食感の妥協をしなかったのです。
材料や製法を徹底的に研究した結果、今の乃が美があるのです。
このように妥協しなかったから、柔らかくほんのりとした甘さの高級「生」食パンが出来たんですね。
検証とフィードバックを繰り返し行うことで大きな成果が得られるというのは昔から聞くお話です。
それはパンを作る上でも同じということなのでしょう。
ちなみに私がすごいと思ったのは、幾度となく味見を繰り返しても自身の目指す味がぶれなかったことです。
しっかりとご自身の味覚を持っていらっしゃるのは一種の才能なのではないでしょうか。
ご縁を大切にした
長く続けたい、という思いは、業者さんとの関係においてもいえる。
引用元:奇跡のパン.坂上雄司.株式会社KADOSAWA
坂上雄司さんは乃が美の社長になるまで色々な業界を経験されていました。
プロレスや焼肉店、ドライバーなど、読んでいてびっくりするほど多種多様なジャンルです。
当然たくさんの人々と携わっていらっしゃいます。
その中で、坂上雄司さんは出会った人とのご縁を大切にしていました。
人を助け助けられ、ご縁はご縁を呼び、乃が美という人に愛されるパン屋さんになったのです。
社内では従業員が長く務めて技術を高めてくれるように、従業員とのご縁も大切にしているそうです。
従業員の入れ替わりが激しいと、その分受け継がれる技術は少なくなってしまいますからね。
パンのタブーを無視した
「腰折れ寸前、くらいで作られへんかな? なんなら、腰折れしてもいいくらいやけど……」と聞いてみた。
引用元:奇跡のパン.坂上雄司.株式会社KADOSAWA
パン作りをしている方であれば、腰折れという言葉を1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
腰折れとは、パンが柔らかすぎて綺麗な形を保てないことです。
通常では腰折れのパンは失敗にあたるのですが、坂上雄司さんはそれを商品化の足がかりにしました。
乃が美の食パンが柔らかいのは、腰折れを恐れなかったからなんですね。
乃が美は誰もが思いもよらなかったことに挑戦し、ライバルがいない状態で最良の商品を売りました。それも乃が美が大人気で有名になった理由なのではないでしょうか。
試食を徹底した
乃が美の開店後、なかなかお客さんは来てくれなかったそうです。
そこで行ったのは、食パンの試食でした。
坂上雄司さんは乃が美の食パンの味に自信を持っていたので、なかなか業績が伸びなくても焦らずお客さんを待ちました。
そうすると次第にお客さんが来店し始め、リピート客が増えたそうです。
お客さんに商品の長所を見てもらうという意味で、試食は絶大な効果だったでしょうね。
値段を見て帰ってしまうお客さんに対しても試食をしてもらう事で、記憶に残ると思いますし。
なんにせよ自分の商品に自信を持つことが大切なのですね。自分の商品はいい商品なのだと自信を持つとその分お客さんにおすすめする声に熱意がこもります。
そういうところもお客さんは感じ取っているのではないでしょうか。
乃が美の食パンが大人気になったわけは、ぶれない未来図にある
乃が美は材料や製法から接客、お店の理念まで、社内で徹底して共有しています。
挑戦に挑戦を重ね、ご縁が繋がっている外にも意識を向けることで大人気になった乃が美を共有し、全国に展開しています。
そうやって出来たお店の未来図は代々受け継がれていき、100年後にも残るようなパン屋さんになるのかもしれません。
「奇跡のパン」を読んだ感想
以前食べた乃が美の食パンにはこんなに試行錯誤と時間、苦労がかかっていたのかと気づきます。
何事も大成功の前には努力があり、その努力の時間が長ければ長いほど成功は続いていくのだとこの本を読んで学びました。
私もパン作りを極めるため、これからも努力を惜しまず続けていこうと決意させてくれた本でもあります。
話は変わりますが、「奇跡のパン」を読んでいると乃が美の食パンがどうしようもなく食べたくなります。もし乃が美が近くにない方や行く時間が無い方は注意です。
さらに話は変わりますが、私が以前行ったことがあるのは「乃が美 はなれ」です。「乃が美」と「乃が美 はなれ」には大した違いはないと思っていましたが、実は決定的な違いがあったのです。
「乃が美」と「乃が美 はなれ」の違いも本書に書かれていて、読むと少し意外に思われるかもしれません。
奇跡のパンという本はこちらから詳しい情報を知ることが出来ます↓
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